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声(Une voix)

ホフマン物語、4回目
Artlyrique18oct


自分がアントニアを歌っていた頃(別にやめたわけじゃないけど)からやりたかった母の声。

悪魔ミラクル博士に、庶民的な幸せのほうがいいと言っているけれど、ほんとうは舞台に歌姫として君臨する栄光に憧れているんじゃないのか、歌え!と追い詰められたアントニア。実は彼女は、母譲りの素晴らしい声を持ちながら、肺病で歌うと命が危ないので、父クレスペルから歌うことを禁じられている。抵抗するアントニアに食い下がるミラクル。ホフマンとの愛に生きたいアントニアは切羽詰まって亡き母に助けを求める。ミラクルは勝利を確信したように「聞くがいい」と言う。と、そこにアントニアを呼ぶ、懐かしい母の声が!

というものの、アントニアの母は超絶ワガママな大プリマドンナで、クレスペルも手を焼いて離れてしまったほど。歌手としての栄光の中に生き、死んだ女。幼くして別れたアントニアには、優しい母の思い出しか残っていないのかもしれないけれど、勘違いも甚だしい。

ということで、アントニアの幕のクライマックスにいきなり登場する「声」。ほんとうはそのへんの亡霊の声かもしれないし、ミラクルの聞かせた幻聴かもしれない。でもアントニアは母の声だと信じ、歌えと促す声についに歌い出してしまう。

母の声に必要なのは、アントニアを動かす力のある声。優しい猫なで声でもいいけれど、私はやっぱり原作の設定から、アントニアを憧れさせ従わせるような、華と、地獄に落とす迫力のある声が理想。

奇しくも今回のアントニアは、カルメルでメールマリーを歌った時のブランシュ。なんか似たような関係。

母の声はもともとメゾの役だけれど、だからドラマティコな感じで捉えています。うん。そう思うと、ジュリエッタと二役というのも、あながち無茶ではない気がする。

ジュリエッタはお芝居の役、母の声は声の役。その違いを面白がっていただけると嬉しいです。


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