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楽譜に書いてあること

演奏会形式のメリット。

湖上の美人は、前回のエルミオーネと同様、衣装付き演奏会形式。衣装付きなのは個人的な趣味と、レア演目でもお客様にわかりやすいように。演奏会形式なのは、主な理由は私が、関節の障害のせいで演技の負担が重いからだけれど、歌に、楽譜に集中できるというメリットも。

ロッシーニもだいぶ慣れてきて、湖上のお稽古では、せっかく楽譜見ているんだから、書いてあることと、書いてないけどやるべき強弱やアクセントをきっちりやろう、という雰囲気。合唱やオケがないぶん、強弱を調整した箇所もたくさんあるし、いわゆるロッシーニ・クレッシェンドや、フレーズおさめのリタルダントなど、自然にそうなったところも、話し合ったところも。みんなのロッシーニ経験を教えてもらいながら、指揮者はいなかったけれど、特に人数の多いところとか、CDやDVDの演奏よりもきっちりできたところもあったかも。

でも、エレナのアジリタの中で、これだけはやめておこう、と思ったのが、2幕の長い二重唱の最初で、ちょっとずつ降りてきた後の下のCでのターン。私はターン自体は大好きだし、声域としても特別なわけじゃないけど、なぜかここだけ、よっぽど下に合わせていないと、綺麗に回れない。いちおうソプラノだし、やめ!

とはいえ別に低音のアジリタが嫌いなわけじゃない。ロンド・フィナーレでは速いアジリタで降りて上がってまた降りてがたくさんある。下のAまである。曲を知らない歌手が聞くと、何かの冗談にしか思えないらしい。でもこれでもアルミーダほど下がるわけじゃないし、アジリタが長いわけでもない。これでも。

ロンド・フィナーレのヴァリエーションは今回パリ版をメインにしたのだけれど、歌いづらくて変えたのが、後半のロンド3回目の下のBに降りる前の音型。ロンドって同じ音型を何回も違うヴァリエーション付けなきゃいけないから、ネタが尽きちゃう。で、上のBのトリルで、フィラートから長い<でヴィブラートにして、また長く>してフィラートに戻してから2オクターブ跳躍で降りる。ロベルトでも似たようなことはやったし、ルチアでも簡単なのはやるけど、こういうのは、「ここで何かネタをやりなさい」と書いてある(大きなフェルマータとか、ピアチェーレとか、コルカントとか)時の、持ち芸? 私はフィラートもトリルも大好き。うまくいく時ばかりじゃないけど。本番はこれもまあまあな出来。

可愛いソプラノちゃんが歌ったアルビーナ役で、ソロのところがけっこう低くて地味だったので、ヴァリエーション付けたら? 自分で書いてみたら? むっちゃ派手にしていいよ、と無理やり押し付け。

そう、リッチ先生は助けてくれない。もちろんドレミの楽譜にもない、サザーランド集にもない。レア物あるある。

言ってる私自身も、ヴァリエーションつけるのはちょっと慣れてきたけれど、書くのは苦手。でもやらないと上手くもならない。楽譜に書いてあることをきっちりやる、書いてないこともきっちりやる。普段できてそうでできてないし、今回、みんなでがんばったのは、私自身にもすごく勉強になった。

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