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サフォー終演、そしてテンポのこと

日本初演?なグノー作曲オペラ「サフォー」題名役。終演しました。

発声のことは散々書いたのでテンポのことを。

声が整ってくるにつれて、表現がわかってくるにつれて、指揮と伴奏とテンポの話をすることが多くなりました。
特に「不滅の竪琴」。これは4分の3で、四分音符が60です。

最初に先生に、60は遅すぎだよね、このぐらい?と70ぐらいで振られたのを断固拒否して60にしたのですが、表現をやっていくと70に近づいていく。でも、70だと派手には歌えるのですが、最後死ねないのです。アリアとして歌うなら70でもいいけど、全曲を終わらせるためには、絶望に満ちた、重々しい60が必要。

なので、フレーズの上行形も絶対速くしないで、むしろラレンランド、ソステヌートぎみ(これは1幕のアリアも同じ)。そしてフレーズ終わりの多くはビブラートを使ったクレシェンドで切る。音量はともかく、音は瀕死、波間に溺れる人のようでなくてはいけない。それを繰り返し、2節に入って、唯一ファオンに語りかけるところだけはサフォーの残されたわずかな感情を出して、すぐに堂々とした死への決意に入ります。なので、クライマックスの前のLarge.はたっぷり時間を使って、極めて重く緊張した、そして堂々とした音。

60で歌うのはリスクは高いです。ブレスは長いからいいとしても、ゆっくりと音を進め続ける、というのは綱渡りのように繊細なコントロールが必要だし、喉の調子が悪かったり、ポジションの管理、ブレスの管理が悪かったら音が切れてしまう。それでも、やっぱり死なないと意味ないし。

どんなアリアも、アリアとして単体で歌う時と、オペラの流れの中で歌う時とは全く違うもの。私も次にこのアリアだけを歌うことがあったら、60にするか、70にするかわかりません。でも、日本初演?少なくともアールリリック初演なので、できるだけ、作曲者の指示、初演歌手のために書かれた音型が持つ意味を考えてみたいと思いました。

サフォー、楽しかった。もう一回やりたいな。

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