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メゾ用の発声

久しぶりのレッスン。

レッスンに行って、
「今日なにやるの?」
「はい、今サフォーやってるので、アリアを」
「それメゾっぽく歌ったほうがいいの?」
「はい、初演がコントラルトなので、重く取らないと歌えないです」
「そう、じゃポジションをこうして、ここの筋肉をこう使って、この発声やってみて」
みたいな会話。が成立するのがうちの先生のありがたいところ。その発声練習がとても難しくて、曲を歌うより数倍打ちのめされるのもいつものこと。

サフォーはlow-GからHまでの役だけれど、主に使うのは中央のCからHまでの約2オクターブ。ということは常に2オクターブを自由に行き来できるだけの体を保ち続けなきゃいけないということ。

声域が何オクターブ、と言ったりするけれど、オペラ歌手にとってもっと重要なのは、同じ発声、同じポジションで、切り替えずにどれだけの声域をカバーできるか、ということ。ポジションというのは簡単に言うと横隔膜の位置のことで、詳しく言うと腹筋と背筋のどこを使うかとそのバランスのこと。

普通の先生はこのバランスを変えることを許してくれない。どんなテッシトゥーラの曲も同じポジション。だから、ちょっとでも役がそこを外れると、ポジション違いでなんとなく歌って、特に中低音を殺して曲を台無しにしてしまうことが多々ある。特にリリコ・レッジェーロものを、レッジェーロと言っていいのか、オペラを歌うには高すぎるポジションでピーピー発声してるソプラノが歌ったり、本来重いテノールなのに高音が歌えなくて偽のハイバリトンになってる人がバリトンの役を歌ったり、おかしなことが沢山ある。バスの声じゃない、ドラマティック・バリトンなのに音域が出るからバスを歌う人もザラにいる。

「そこのGの音なんだけど、飛び出さないで、もうちょっと中音域と変えないでとれるかな? 体を音型に逆行させる感じで」
「はい、そうですよね。はい…」
要するに体がサボろうとしてるのであって、それは良い音楽ではない。2オクターブの幅を保ち続けるのはとても体力を消耗するけれど、それが許される声帯を持っているのだから、オンボロな体に鞭うって。

でもサフォーのポジションの声は自分でも好き。やっぱり私の本来の声はコントラルトだったのかな、とも思いつつ。でもサフォーの次にやるのはハイソプラノの歌曲だったり、して。

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