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閑話休題なトスカ

ちょっとメモ。

トスカというプッチーニのオペラを好きな人は多いと思います。
私はプッチーニの音楽が肌に合わないので、あるきっかけでトスカについて調べた時、とりあえず原作サルドゥーの戯曲に遡ってみました。で、とても素敵だと思ったのがスカルピアのキャラクター。

スカルピアの最後のセリフはこれです(笹部博司様訳)。
「トスカ、お前はいつも期待を裏切らない。トスカ、お前は最高だ、女の中の女だ。さあ、とどめを刺してくれ」
(ト書き:スカルピアはフロリアのナイフを持つ手を握り、自分の胸を刺す)

うん、これだったらやりたいって思ったかも。

オペラのスカルピアは単なるサディスト、絶対的権力者で、歌姫トスカを手に入れるためにアンジェロッティを捕らえようとし、カヴァラドッシを捕らえ、恋人を拷問することでトスカを脅し、彼女を抱こうとして油断し、トスカに刺されます。

戯曲の方のスカルピアは、トスカの友人で、彼女のエキセントリックな性格の理解者であり、崇拝者です。そしてアンジェロッティを捕らえないと、自分の地位と首が危ないので、必死に後を追います。そしてカヴァラドッシを捕らえ、トスカを訊問しているところで、自軍の敗北と翌日の処刑の運命を悟り、トスカを追い詰めて、彼女を使って自殺します。

スカルピアは誇り高い男で、縄目の屈辱など彼にとってはありえない。そして彼は自分と同じだけの矜持を、トスカに見出し、自分自身の投影としてトスカを愛します。トスカはその愛を拒んでスカルピアを刺し、スカルピアはそのことに満足して死んでいくのです。

で、プッチーニのオペラでは?

オペラというものは、ある意味いろいろ、原作を単純化せねばならぬこと、小説のアニメ化のようなものです。
でもな。プッチーニじゃない人が、これをオペラにしてくれていたらなー。ヴェルディとかマスネとか。まだポイント外さなかったと思うんですよね。

なお戯曲自体の作品の評価は、トスカというキャラが初演のサラ・ベルナールの当て書きだったせいか、そんなに高いものではないようで。確かにアンジェロッティ絡みのところとか、かったるくもあるのですが。

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