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改めてグノーの「サフォー」

1851年初演。1858年(2幕物)と1884年(4幕物、未出版)に改作。

グノーさん33歳ぐらいの時の初オペラ。1851年といえば、ヴェルディの「リゴレット」、ワーグナーの「ローエングリン」が書かれた時代。

マイアベーアの「預言者」を初演したばかりの大人気プリマ、ポーリーヌ・ヴィアルド様が、グノーに書かせて、パリのオペラ座で初演。初演は9回しか演奏されなかった。

<全曲 2時間4分>
サフォー:メゾ:ファオンに恋する詩人
グリセール:ソプラノ:ファオンに恋する娼婦
ファオン:テノール:サフォーとグリセールに二股かけている
ピテアス:バス:ファオンの友人でグリセールに恋している
アルセー:バリトン:詩人でサフォーのライバル
クラーテ:テノール
シネジーレ:バス
牧人:テノール

1幕
アルセー、ピテアス、ファオンはレスボスの統治者であるピッタキスを打倒しようとしている。
ファオンはあまり乗り気でないことと、サフォーとグリセールのどちらを取るのかを、ピテアスに責められる。
サフォーとグリセールは互いにライバルの存在を知る。
オリンピックの詩の競技会で、アルセーは自由と正義について、サフォーは英雄と伝説について語る。
群衆はサフォーを支持し、ファオンはサフォーへの愛を誓う。

2幕
ファオンの屋敷で、ピッタキスに対する反乱の計画がされ、男たちは宣誓書に署名する。
グリセールはピテアスを誘惑し、計画の証拠を手に入れ、ピッタキスに密告する。
グリセールはピッタキスに密告されたくなければ、ファオンを一人で逃せとサフォーに迫る。
グリセールはファオンには、ピテアスがピッタキスに反乱について密告しようとしていると言う。
ファオンはサフォーに共に逃げるように頼むが、サフォーは拒否する。
ファオンはサフォーの裏切りを咎め、グリセールと共に逃げる。

3幕
ファオンはレスボスから逃げるために港にいる
ファオンは愛と運命の不幸を嘆き、サフォーに戻ってきてくれと歌う
共謀者たち、グリセールが到着する。サフォーは隠れている。
グリセールはファオンに、サフォーを愛しているのか訊くがファオンは否定する。
皆は逃亡し、サフォーはファオンの幸せを祈り、気絶する。
牧人の歌に目を覚ましたサフォーは詩を歌い、海に身を投げる。

***

「サフォー伝説」の、美青年に捨てられて身を投げて死んだ、という内容のオペラ化。なんだかロッシーニのセリアにありそうな組み立ての作品で、初演された時代にはちょっと古めかしかったのかも。サフォーとファオンのラブラブな二重唱とかもないし、グリセールはアリアがないし、重厚さはあるけれど華やかさは足りない。グリセールが嘘をつきまくるせいで、2幕の話がちょっと分かりにくいし、どうしてそうなっちゃったの?的な感じで後味もよくない。なんというか地味。

音楽は、1幕のオリンピックの場面の合唱が綺麗。サフォーの登場シーンの前の女声コーラスがとても綺麗で、今回やらないのが残念。四角関係の四重唱も短いけれど美しい。サフォーのオードはとても難易度が高く、感動的な曲。2幕はグリセールとピテアスの二重唱がぐいぐい聞かせる。グリセールとサフォーの二重唱、ファオンが来てからの三重唱も所々素晴らしいアンサンブルがあるけれど、ちょっとごちゃごちゃしている。3幕はやっぱりファオンとサフォーの大アリアが聴きどころ。

サフォーは前回語ったとおりのソプラノ・スフォガートの役。声質はリリコからドラマティックで、コントラルトからソプラノまでの声域が均等に響かないといけない。ファオンはhigh-Dがある役(省略できるけど)で、かと言ってハイテノールでもない、甘く輝かしい声な人。グリセールはソプラノでいいのだけれど、音域は多少低め。日本だと軽めのメゾがやるのもいいと思う。ピテアスはバスバリトンでブッファ役もできそうな器用な人。アルセーもバスバリトンで重いいい声な人、というイメージ。

フォーストとかロメジュリとか、グノーのそれからのオペラと比べてどうか、というのは私にはわからないので、先生にこれから教えてもらおう。

ハイライトとはいえ、演奏される機会はとてもレア。また初演の後誰もやってくれないブツになるかもしれないので、どうぞお聞き逃しなく。

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