« バンヴィルの七つの歌 by ドビュッシー | トップページ | ロベルト・デヴェリュー »

ハイソプラノと歌曲

バンヴィルの七つの歌。

歌曲というのは、役がないので、キャラもない。だけれども、このドビュッシーの歌曲たちは、某人妻…アマチュアのソプラノながらけっこう上手かったらしい、ドビュッシーの憧れの人…のための当て書き。

ハイソプラノのレジェだったということなのだけれど、音域は下のCからhigh-Dかhigh-Cまで。細かい音符もなくはないけれど、アジリタが特別難しいというわけでもない。どっちかというと、通常の中音中心の曲の旋律がひょいひょい上に上がる感じで、高いというより、声域が広い人という印象。中音をしっとり聞かせる曲も多い。

録音を二つ聞いているのだけれど、一つはリリックな声の人で、でも音を下げているし、二曲は入れ替えなのであまり参考にならない。もう一つはわりとぴーぴーしたレジェの人で、この曲だからアリっちゃありなんだけど、嫌い。

曲の表現として、上の音やアジリタは比較的細い声、特にPPが必要で、中音はしっとりしっかりした響きが欲しい。これをアクセントやスタッカートの助けを借りずに、ずっとレガートで繋げるところが……この曲集の歌いにくさなのかな。オペラと違って力技なところや、声量、分厚い支えは必要ないけれど、逆にレガートラインの繊細さを支える力は必要。ちょっと筋肉の使い方が違う感じ。マスケラ筋肉痛。

あんまり余計なことを考えないで、自然に出る声……と思っているのだけれど、どうなることやら。

1、夢想…前半は何気ないメロディだけれど、後半の詩の表現に合わせて、ハイソプラノの上の音の繊細さをうまく活かしてある曲。

2、願い…心中なのかな、悲しい内容だけれど、とても色っぽくて、フランスもの、という感じ。これはかなりリリックな声でないと合わない。

3、リラの花…澄んだ空に数日だけ咲くライラックの花の情景に、ハイソプラノのキラキラと透き通った音がたちのぼっていくようで、歌っていて気持ちのいい曲。

4、セレナード…レジェのための曲だけれど、アクセントが効いていてちょっと異色、というか異国風。アジリタのテクニックとしてはいちばん面白い。

5、まだまどろんでいる…ちょっと古風な旋律に、細く硬い音がしっくりくる。ちょっとスピントがないと歌いづらいかも。ドラマ性もあっていい曲。いちばん好き。

6、バラ…とてもレガートで、音域は広いけれど、どちらかというとリリックな声がほしい曲。たぶんこの曲集の中でいちばん合っている気がする。

7、みやびやかな宴…ピアノの「小組曲」のメヌエットと同じ旋律。のせいか、声楽曲としては音がちょっとおかしい気もするところもあるけれど、これも古風でカッチリしていてスピント向き。

|

« バンヴィルの七つの歌 by ドビュッシー | トップページ | ロベルト・デヴェリュー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« バンヴィルの七つの歌 by ドビュッシー | トップページ | ロベルト・デヴェリュー »