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ノルマもおしまい

誰だこんな無謀な計画たてたの……って私か。

やると決めたことは何を犠牲にしてもやる主義。なのですが、無謀であったことは確か。当日歌い切る自信はあったし、喉は何も問題ない。でもお稽古とか準備とかは、意識が散らかりまくって、しかも、アガーテちゃんとタイースもあったし、別の選曲とかぐちゃぐちゃ。優先順位はわかっていても、気持ちが行かない。ノルマの稽古なのにトロヴァトーレの気分とか、その反対とか。ガラのお稽古が一週間前に終わったので、そこからノルマに集中した感じ。

当日スケジュールは、設営、ノルマの通し、ガラの場当たり、通し、返し。開場準備、ガラの本番(歌うのは最初と最後)、20分休憩、ノルマの本番。

稽古スケジュールの都合で、結局まともに曲順で通せたのが当日だけだったので、ペース配分などの確認の意味もあって、ノルマの通しは抜くわけにいかず。終わったらもうげっそり。ガラは場当たりでいろいろ変わるし、少し力は抜いていたけれど、演技をしっかりやろうと思ったら、歌もしっかり歌わないと変になっちゃう。結局リハでけっこう疲れて、ガラは三重唱はいまいち納得いかない声、二重唱は立て直したけれどまあまあ。休憩中に撮った写真の顔のガチガチなこと…。

というテンションでノルマの一曲目はCasta Diva。誰だこんな曲を冒頭に置いたのは……やっぱりレチからやるべきだった。声もテクニックもまあまあ、トロヴァトーレの余韻で体はよく開いているのだけれど、なんだか気持ちが落ち着かない、役に入りきれないまま終わってしまう。

アダルジーザの小アリアとポッリオーネとの二重唱の間休み。この間はけっこう長い。が、次に入ったら1幕終わりまで出てこられない。もうある意味覚悟を決めるしかない。袖で水分とってリコリス舐めて雑談して。

暗転板付のレチから。ここからはちゃんとノルマに入れた気がする。クロティルデが出て行って、アダルジーザが入ってくる。長い二重唱、すぐに三重唱。三重唱の途中、trema per te fellon! のアジリタとhigh-Cあたりでけっこうバテた。表現で、声を張らないところをちょこちょこ作って、メリハリをつけた感じでフィナーレまでなんとかがんばる。

袖に戻った時にやっぱり腰と膝にかなりキていて、ん〜。とはいえ、1幕と2幕の間は休憩ではないので5分しかとっていない。次はアダルジーザとの二重唱。朝の通しの時もここがかなり体力的にヤバかった。それでももはや意地で最後の明るい曲の前打音を入れた。

一回引っ込んで、オロヴェーゾの短いアリア。カットがあるので後レチですぐ出なきゃいけない。ここももう入ったら全曲が終わるまで袖に戻れない。袖でPadre addio!とおとうさま(じゃない。おじさま)に言って、もうすでに火刑台に死ににいくような気分。

レチがあって、ポッリオーネとの二重唱。ペットの低音ではなく、力の抜けたところの低音にいい感じに落ちていたので、ちょっとそっちの声の比率を上げて、怒りとか軽蔑とかを表現してみた。最後はhigh-Es。体は疲れまくっていたけれど、これで上がんなかったらソプラノやめてやると思った。でもEsとはお友達度がかなり高いので難なくクリア。またアタッカで2つのアリアフィナーレへ。間のレチをばっさりカットしたので、ひたすらひたすら歌い続けてa tu perdoni。リリックな長い旋律を引っ張って、引っ張って、ああこれ体の容量超えてるよね、的な感じで盛り上がって、こんどはほんとのPadre addio!

ダメだったところはいっぱいありすぎるけれど、辛くても苦しくても体がボロボロでもあきらめないで歌いきる。それだけはできたと思う。……打ち上げで、誰よりもタフだね、と言われたけれど、まあ精神力と気力はかなりタフだと思うし、肉体的には毎日が逆境だから、なんとかなんとかしてしまうお稽古も積んでいる。まあでもだからって、今回はやりすぎた。やりすぎたけれど楽しかった。

終わってから、1日後片付けと気持ちの整理をして、二日半でタイースの譜読みをし、二日でアガーテちゃんの暗譜をし、アリアなんとかかんとか歌って、すぐにドイツ語を消去して、フランス語モードでマスネのどエロな世界にどっぷり中。

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