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ノルマ(ベッリーニの)

楽しくなってきました♪

Galaandnorma

10/12はガラで3曲、そしてノルマでアリア、二重唱、三重唱、二重唱、二重唱、フィナーレと歌います。6曲で実質60分(ハイライトの全体は90分)ほど歌うので、1曲平均10分ほど。長い。で、レチも長い。

最初のアリアは、言わずと知れた超絶難曲のCasta Diva。安定したブレスと、声の幅がしっかりないと歌えない曲。そしてとても美しい曲。巫女の長、預言者として月に祈りを捧げ、復讐の心を抑えるように平和を願う。のに、後半のカヴァレッタは敵の将軍ポッリオーネとの許されない恋の希望を歌う。こちらもとても難しくて、ドラマティコ・ダジリタそのもの。レッジェーロのコロラトゥーラとの一番の違いは、どれだけアジリタでも、一音一音に表情を付けなくてはいけないこと。それだけ一つ一つの音が重い。

次の二重唱は、アダルジーザとの一つ目の二重唱。巫女としての義務を裏切った恋の許しを求めるアダルジーザ、自分が恋に落ちた時のことを思い出して同情するノルマ。恋の嘆きと美しい友情の二重唱。アダルジーザはソプラノ・リリコか、軽めのリリック・メゾで歌われる役で、ドラマティコ・ダジリタのノルマと声域はほぼ同じ。アダルジーザちゃんは18歳ぐらい、ノルマさん28歳ぐらいのイメージ。

三重唱に入ると、話はいきなり展開。アダルジーザの恋人が、ノルマの恋人で息子たちの父親でもあるポッリオーネだと知ったノルマは、ポッリオーネに対して怒り、アダルジーザのために嘆きます。「だって気が変わったんだから仕方ないじゃん」的なノリのポッリオーネ。恋人が卑劣な裏切り者だったと知ってしまったアダルジーザ。ここで幕。

アダルジーザとの二幕の二重唱は、たぶんこの作品で2番目に有名な曲。自らの死を覚悟し、ポッリオーネのもとに行って子供たちの母になってくれと頼むノルマ。ノルマへの愛を取り戻してくれるように頼んできます、というアダルジーザ。共に生きましょうと歌う明るい曲が悲しみを誘います。

アダルジーザは説得に失敗し、ポッリオーネはアダルジーザを攫おうとしたところを捕えられます。ノルマはポッリオーネを詰問し、アダルジーザを諦めれば逃がしてやると言います。ポッリオーネは自分を殺してアダルジーザを助けろと言い、ノルマはローマ人を皆殺しにする、アダルジーザも息子たちも殺す、と脅します。ノルマはなんのかんの言ってもポッリオーネのことが好きで、殺したくない。愛する人が死ぬという苦しみを理解しろ、ということ。この脅しの場面は、清教徒の「おじさまリッカルドを脅迫する」の二重唱によく似ていて、ノルマ役の凄みがあるところ。ソプラノには滅多にこういう場面はないので楽しみ。

フィナーレは、皆を集め、アダルジーザを生け贄の火あぶりにするとみせかけて、裏切っていたのは自分、ノルマだと衝撃の告白をします。ポッリオーネはここで、自分が馬鹿なことをした、高貴な魂の女性を裏切ったのは間違いだった、一緒に死ぬと言うのですが、もはやノルマにとってはあまり重要ではなく。ノルマは父オロヴェーゾに子供たちを託し、思い残すことはない、と自ら祭壇に上っていきます。

最近、ベルカントのドラマティコの曲を好んで歌っているのですが、声が重いということは、可憐なお姫様じゃなくて、強烈キャラの身分の高い女性であることが多く。怒ったり呪ったり、感情もとにかく劇的。同じベッリーニでも、頭空っぽな清教徒のエルヴィーラちゃんとか、夢遊病のアミーナちゃんとは大違い。

そういうキャラが、音符としていちばんよく現れるのは跳躍、低音、アクセント。ノルマも技術的に難しいところはたくさんあるのですが、アルミーダ様とかエレナちゃんとか、ロッシーニ特訓会でがんばったから、あまり難しいと感じない。音取りも、アルミーダみたいなお先真っ暗感はないし。でも曲想がころころ変わるのと、転調と、ベッリーニ独特の「あえてはずしてみました」的謎音は、けっこう難しい。

何にしても、オペラ数ある中でも、とても格の高い役。端正に怜悧に、そして優美に、ノルマという女性を表現してみたいと思います。

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