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歌うと死んじゃうコ

春のフランスオペラ。

もともと別の演目のつもりだったのですが、諸事情あって、いただいた役はホフマン物語のアントニアです。オランピアが人形娘、ジュリエッタが娼婦、アントニアは薄幸の歌姫。

先日二期会のホフマンを拝見して、アントニアさんの声がとっても素敵だったので、やってみたかった役ではあるのですが…。

歌うと死んじゃうのです、このコ。で、おとうさまのクレスペルは、歌手であった妻を同じ病気(結核)で亡くしているので、歌の才能を受け継いだアントニアにも、歌うことも、詩人ホフマンとのおつきあいも禁止しています。おとうさま怒りっぽいのですが、その底にずっと奥さんへの愛情とか悲しみとかが流れているいい役です。
恋人のホフマンはそんなことを知らずに一緒に歌ってしまいます。ホフマンはとってもたいへんな役ですが、中身はテノール標準におバカです。
悪魔ミラクルはアントニアの亡き母の幻聴を聞かせて誘惑し、歌わせます。四悪役はだいたい同じ人が兼ねるのでこれもたいへんな役ですが、やりがいがありそう。
アントニアはホフマンのことが好きなのですが、歌わずにいられない人。なので事情に気づいたホフマンが止めるのもきかず、ミラクルの誘惑に負けて本気で歌ってしまい、ほんとうに死んでしまいます。
……う〜ん、なんて実感の込もった役。私は歌ったら死んでしまうということはないですが、健康と引き換えに歌っているのは確か。周りにクレスペルもミラクルもホフマンもおいでになります。

ま、とにかくアントニア、はリリコなのですがコンテッサのようなふわふわ系ではなくて、スピントで芯をしっかり作るタイプのリリコ。なのでコンテッサよりは歌いやすいはず。もともと、オランピア、ジュリエッタ、アントニア(、ステッラ)を一人のソプラノが歌うことも想定されているので、極端にその声種じゃないとダメということはないようです。オランピアとか超絶技巧ものと分類されてますが、そんなに高くも難しくもないし。でも、オッフェンバックの音楽はたいへん美しいし、全幕しっかりしたものを見せていただいたので予習もばっちり。

アントニアの幕は、クレスペル(バスバリトン)とミラクル(バス)の絡みが、低声マニア的にけっこう面白かったのですが、ハイライト版なのでおとうさま不在なのが残念。とはいえ、アントニアのロマンス、ホフマンとの二重唱、ミラクルと母の声との三重唱、とがっつり歌います。歌うと死ぬんですけど。

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