« フィガロお稽古(初回) | トップページ | 対称軸 »

フィガロのぷち時代考証:小道具編

いちおう、気分だけはその時代で。

今回の会できっちりとした「コスチューム・プレイ(時代劇)」ができるわけはないのですが、小道具を集めるにも、衣装を探すにも、とりあえず「当時どうあったか」の確認は必要。しかも初演にとっては同時代劇なわけで。

調べてわかった面白いことをいくつか。小道具編。

コンテッサがスザンナに取ってくるように言う「英国タフタ inglese taffeta」は、「court plaister / plaster」。シルクなどのタフタ地の片面に膠を塗ったもの。色は白、肌色、黒とあったようですが、この黒いものはいわゆる、ロココ時代に流行したという付け黒子の材料。なので、court=宮廷と言われるのだそうで。当時は顔を真っ白に塗るのが流行って、その白さを強調するために、黒い布を貼った…とか。へんなの。当時の白粉は鉛やら水銀やら毒物だったので(日本でいう伊勢おしろいね)、シミを隠したという話も。

…ということで、シルクのハギレでいいらしい。

スザンナがコンテから受け取る「気付け薬」は、「smelling salts」訳語は「かぎ塩」。小瓶と書いてあるので、香水瓶のような形で、中身は塩化アンモニウム。なので、キンカンみたいな匂い。あのツーンとしたのたまに嗅ぎたくなるのはわかる。じつは今も売っているらしい。saltsとあるように結晶が入っていて、液体ではない。これとは別に、ヴィネグレット(ドレッシングじゃない)というマッチ箱小な金属の美しいハコで、中に透かし彫りがしてあって、そこにお酢をしみ込ませた綿を入れたアクセサリーがあり、男性が女性の介抱(と称して…)のために持ち歩いたり、女性がネックレスとしてぶら下げたりした。キンカンとお酢の二択。ちなみに、キンカンのほうが上流階級用だったらしい。気付け薬が必要だった理由として、当時のヨーロッパは非常に不衛生だったことや、コルセットで胴を締めていたことがあげられるが、とりあえず倒れて男の人の気を引く、という意味もあったとか。

…なので、透明なプラスチックの瓶にバスソルトを入れてみた。香水瓶でもよいけど、形が複雑なので割れ防止の透明テープを貼るのが面倒。

手紙の封になり、伯爵が指を刺すピン。骨董屋さんで19世紀の、二本が細いクサリで繋がった綺麗なモノを見つけて訊いてみたら、お値段14万円……バルバリーナはもっと真剣に探したほうがよさそうです。

…待ち針みたいな大きさなのだけど、演技で扱うにはあぶないので、ハットピン…を通り越して、マティーニピンにしてみた(使わないかも)。

こういう民俗学的なのって楽しい。

|

« フィガロお稽古(初回) | トップページ | 対称軸 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« フィガロお稽古(初回) | トップページ | 対称軸 »