« 演出のいろんなこと | トップページ | フィガロお稽古(初回) »

コンテッサ考(承前)

フィガロ、もうすぐお稽古が始まります。

アルマヴィーヴァ伯爵夫人、通称コンテッサ(伯爵夫人のイタリア語)、本名ロジーナちゃんは、聞くところによると、「フィガロの結婚」でも20歳ほど。「セヴィリアの理髪師」ではティーンエイジャー。今回のフィガロキャストの誰よりも若い…のです。なのですが、Wヒロインのフィガロの結婚で、コンテッサはプリマ・セリア役、スザンナがプリマ・ブッファ役であることや、身分の違いで、かなり重々しいキャラの作り方をされることが多いです。どー考えても20歳じゃないし。どっちかというとばら騎士のマルシャリンの30歳も超えてそうな勢いだし。でもシーンによっては、「ロジーナちゃん」的なところも、ちらほらあります。

伯爵(コンテ)とは倦怠期真っ盛り。演出によっては冷えきっているのもありますが、リブレットと音楽を素直に読むなら、まだ愛している、らしい。でも原作ではけっこう、ケルビーノ13歳が可愛い、らしい。召使いのスザンナとは友達でもあり、フィガロは恩人でもある。でもコンテッサは、フィガロのことをあんまり頼りにしていない感じ。

1幕は出番なしで、2幕でいきなりアリアから麗々しくご登場。セッコを挟みつつアリアを2曲鑑賞した後、伯爵との夫婦喧嘩の三重唱。アンサンブルとしてはこのへんがいちばんちゃんと歌うところ。フィガロが入ってきてからはまあぐちゃぐちゃ。3幕はアッコンパニャートからアリア。たぶんフィガロでいちばん長い(でも6分しかないとか別に、特に長いと思わないな…)。お母さんですよ!は出番がなく、有名な手紙の二重唱から3幕フィナーレでちょこちょこ歌う。4幕は後半の変装シーンでスザンナごっこをして引っ込み、最後の最後においしいところをかっさらってフィナーレ。

…ということで、なんだかあんまり歌うところはない。アジリタも高音もない。セッコはあるけど多くもない。なのにとーっても難しい役。

コンテッサに必要な声は、何といってもリリック、それにドラマティック・コロラトゥーラの要素が入っている感じ。

録音は最初シュワルツコップを聞いていて、今回はデッラ・カーザをイメージしていたのですが、テ・カナワも最近聞いています。

キリ・テ・カナワは、ウチに彼女の名前のクレマチスがあるのですが、今までほとんど聞いたことがなかった歌手。でもリリコ系に挑戦するなら抑えておかなきゃ、と経歴を調べていたら、「湖上の美人」を歌ってる! アジリタを歌うイメージがなかったので、一気に親近感が増しました。

テ・カナワのコンテッサは、確かにポジションの作り方や、レガートの感じ方がややロッシーニ的。声を縦幅のキャパシティで取ってしまうタイプ。パッサージョに自信を感じます。それといわゆるコンテッサ発声な、マスケラの細いところで取るのがうまく混ざっていて、アリアは二曲とも激遅なのですが、フレーズを同じように感じて歌うと、けっこう息が足りてしまう。というか元からブレスは長いほうなので、どれだけアプローチが悪かったかわかるというもの。様式の違いはあれど、いちばん綺麗でいちばん自然な声を追求すれば、息が足りないとかアリエナイ、のね。

|

« 演出のいろんなこと | トップページ | フィガロお稽古(初回) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 演出のいろんなこと | トップページ | フィガロお稽古(初回) »