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ふぇ(強勢)

イタリアオペラをやっていて、常に大切にしなければいけない言葉が「fé / fede」。英語でfaithです。

某オンライン辞書には、信義、信用、信仰、信条、遵守、名誉、と書いてありますが、日本語でいうと「まこと、誠実」という感覚に近いのかな、と思います。だいたい、恋人が私にféを誓った、とか、eterna fedeを誓います、とか、恋愛文脈に多く出てくる言葉です。

逆にinfedeleというと、「まことがない」。特に貞操を守らなかった、約束を裏切ったという意味です。これが出てきたら泣き崩れてもいいぐらいの強い言葉。…オペラの中ではよく言われますが。これに加えて、traditore(裏切り者)とか、maledetta(呪われた女め)とか言われると、二人の関係は冷えきっていて、その後だいたい死にます。

イタリアというとamore(愛)な気がしますが、fedeのほうがキーワード。

で、歌手に必要なのも、fedeだと思います。音楽に対する、作品に対する、その舞台に対する、共演者に対する。

いろいろな理由で、共演者に対してfedeを持てない時もありますし、これはお稽古の中で培われていくべきものなのですが、作品や音楽に対してfedeを持っていない人とは、歌っていても精神的な充足感はありませんし、お客様に何が伝わるのだろう、と思ったりします。これはプロでもアマチュアでも、どんなレヴェルでも同じです。

曲の中で、私の役が相手を憎んだり、罵ったりすることも、たまにはあります(だいたい罵られる)。……というか今そういう曲を見ているのですが、もし全く知らない方とはじめての共演でそういう役とかだったら……初回のお稽古はものすごく怖いだろうなあ。

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