« ディノーラの最終回 | トップページ | コンテッサ試行錯誤 »

ドン・ジョヴァンニという不思議な作品

どうもいつもすんなりと見られない作品。

ある程度声が鍛えられている方の歌は、おそろしいほど性格が出る……というのがこの数年の感想で。それも社会人として装っている上っ面から、「魂の色」と言いたくなるような部分まで。で、その色に合った役で、それを隠さない歌い方をしておられる時に、なんというか、魅了される。

ドン・ジョヴァンニという作品のタイトルロールは、「存在の強烈さ」がないとどうしても物足りない。美しい声とか声楽的な正確さよりも(だって大きなアリアはないし)、舞台をドミナントする、かつ下卑たところのない声がほしい。

ということで、大塚博章さんがジョヴァンニを歌われると聞いた時に、あれ、なんで今まで歌ってらっしゃらなかったの? と。

ジョヴァンニさんの譜面上の声域はハイバリトン。ハイバリトン特有の不安定さを前提に書かれている。だからバリトンが歌うと、ちょっと予定調和的になっちゃう。でも面白いことに、バスバリトンで声域のある歌手が歌うと、これも不安定な声種なので、とってもセクシー。バスバリトンっていうのは、バリトンであってもバスじゃない。

絶対にお似合いになりますよ、と言って見て。うん、素敵だったな、と思って帰ってきました。

私は現代演出は嫌いだし、アンサンブルとか、テンポとか疑問だらけだったけど、まあそういうことがどうでもいいのも、ドン・ジョヴァンニという不思議な作品なのかもしれないです。


ということで、私は今秋、大塚さんとフィガロをやらせていただくのですが、どんなフィガロを見せてくださるのか、とても楽しみにしています。フィガロはコンテとのバランスもあるので、どういうアンサンブルになるのか。これはスザンナとコンテッサも同じなのですが、わたし自身のコンテッサのイメージもできてないので……二回目なのですがいろいろ変えてみようと思って……さて、どうなりますやら。

|

« ディノーラの最終回 | トップページ | コンテッサ試行錯誤 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ディノーラの最終回 | トップページ | コンテッサ試行錯誤 »