« Village飲み会 | トップページ | ロッシーニの三角の謎 »

ぜんぶ難しい

難しいか、すごく難しいか、ものすごく難しいか、笑っちゃうぐらい難しいか………。

湖上のエレナと、オテッロのデズデモーナは、両方コルブランのために書かれた役なのですが、なぜか譜面の欲しがっている声がちょっと違います。エレナは高めのメゾ、デズデモーナは低めのソプラノです。音域はエレナがBまで、デズデモーナがhigh-Cまで、とそんなに変わらないのですが、エレナのほうが重心が低いです。

オテッロの三重唱はアンサンブル的な難しさがあります。前半はオテッロとロドリーゴがテノールの意地をかけた!?アジリタ&高音合戦をやっているのを聞いていればいいのですが、後半のデズデモーナの入りAhimè! fermate, uditeから、私の大っ嫌いなシンコペーション。。その後は三人疑惑のゆっくりした部分Che fiero punto è questoがあるのですが、不協和音とピアノなしで入る部分が難しいですがとても綺麗。Ah! per pietaからあとは超スリリングなストレッタで、一回落とすと終わりというような猛スピードのフクザツな掛け合い。私は途中からなのであっと言う間に終わるのですが、緊張感はものすごいです。

オテッロのアリアは、三重唱の後にもあるのですが、今回は3幕の柳の歌からお祈りまで。柳の歌は四変奏あるのですが、今回はオリジナルどおりに歌ってみようと思います。ヴァリエーションで上げることが多いみたいなのですが、ロッシーニのこの手の曲で上に上げるのは、逆に逃げじゃないかな…。アジリタをレガートの中にキッチリ入れて歌う美しい曲。ロンド・フィナーレみたいにテクニック重視のものより、こういう曲がよかったと言ってもらえたら、歌い手としてはとても嬉しい…のでがんばります。

湖上のアリアは、エレナの登場のアリアOh mattutini albori! …はそのあとのレチを省略して、同じテーマの二重唱に続けるので、二重唱の歌い出し、という感覚です。のどかな曲で、アジリタもそんなに難しくありません(ロッシーニ比)。湖水地方の美しい景色と、ミステリアスで操の固いエレナちゃんのキャラクター紹介的なアリア。二重唱で少し変奏していくのですが、まあこの後に比べれば大したことはない!?

湖上の次の二重唱は、最初のテーマが終わって、合唱や二重唱を飛ばして、Sei già sposa?から。これはかなりお気に入りで、三度のアジリタも分散和音も、Cielo! in qual estasi からの速い部分も楽しい。ぴったりした曲なので声の相性が大事ですが、コンサートの重唱でも歌いたいような曲です。

湖上の三重唱は、エレナとウベルトの重唱から入って、途中でロドリーゴが入る。難しいポイントが山のようにあるのですが、まずはAlla ragion deh riedaのアジリタ。音取りにすごく苦戦。後でウベルトさんも似たフレーズを歌うので、緊張感ありありです。次はnume se a'miei sospiriのレガート。こういうところは聞かせどころで、三度も短いですがすごく綺麗なところ。で、Se de' tuoi giusti laiのテーマに入って、しばらく休憩(ウベルトさんが歌ってる)の後、三重唱。Misere mie pupille/私はE il mio rigor contentoの三人でエンドレス・ターンもうわけわからん。ロドリーゴのテーマからの掛け合い、Io son la miseraから怒濤のエンディング。ん、ずーっと難しい。

湖上のアリアはあと、去年からおなじみのロンド・フィナーレTanti affetiです。だいぶ歌い慣れましたが、後半の速いアジリタ&バリエーションより、前半のゆっくりしたアジリタのほうが難しい。テクニカルには、最後に何度かあるEsからBの上昇音型の音を正確に踏めるだけの良いポジションを維持しておくのが…セミラーミデのアリアも同じですが。

両方合わせて、だいたいlow-Aからhigh-Cまでの音域なのですが、上も下も均質であること。間違っても長い上昇音型や下降音型で声が変わらないこと…が大事。でも下は押しちゃうし、上をそのまま上げるのはけっこうたいへん。

ロッシーニのアジリタで「H」を入れていいかどうかというのは、人によって言うことが違うみたいなのですが、私は可能な限り入れないほうが美しいと思います。もちろん綺麗に音を踏むということは大事なのですが、カクカクしちゃうのはイマイチ。でもどーしても入ってしまうところが一カ所ある…。

最近疑問に思っているのが、オペラ歌手の声というのはたいていふくよかなビブラートが付いているもので、ビブラートの揺れ幅(ピッチ)というのは音の高さや大きさによって変わるのですが、細かいアジリタって、どの音を正しいと認識しているのか。ビブラートの周期は音高を変えた時にはじまるの? トリルとの関係は? ビブラートがついていないとアジリタがスムーズに動かないのに、揺れ声だと壊滅する。ビブラートは付けようと思っても付かないというけれど、テクニックとして抑えることはできる。発声はよくわかんないことだらけです。

|

« Village飲み会 | トップページ | ロッシーニの三角の謎 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Village飲み会 | トップページ | ロッシーニの三角の謎 »