« 湖上の声域 | トップページ | 気管支炎とか »

お洒落なルバート

ディノーラ大詰め。

今回演奏するのは、5月に歌ったアリア3曲と、コランタンとの二重唱、ホエールとの二重唱。お二人のアリア一曲ずつです。三重唱は次の5月に♪

コランタンのアリアはコミカルな、「僕は気が弱いんだ」という内容の、親しみやすいものです。

二重唱はどっちもとても複雑で大変なことになっています。コランタンとの二重唱は民族舞踊のリズムが次から次に出てくるので、拍子もテンポもめまぐるしく入れ替わり。ディノーラ役のアジリタ技術を見せびらかす感じに書かれています。コランタンは彼女のことを妖精の女王だと思って、言われるままにバグパイプを吹き、ディノーラはそれに合わせて歌い踊ります。歌っているほうとしては、平均台の上でアクロバットをしているようで、踏み外したら一巻の終わり。なお、最後は寝ちゃいます。

ホエールさんのアリアは、とても美しい。財宝に目がくらんだために恋人ディノーラを死なせてしまったかもしれない。生きていてくれ、と切々と訴えるアリア。やわらかい声質のバリトンの方にレパートリーにしていただきたい、佳曲だと思います。上はGまであるけど。
ホエールさんのアリアは、1幕にほんとうは長いのがもう一曲あるのですが、これは悪役っぽいコミカルで派手なもので、今回は割愛です。

ホエールさんとの愛の二重唱は、それまでの出来事を夢だったんだと信じ込ませたいホエールさんと、えー、でもあれは?これは?と、けっこうしつこいディノーラちゃん。基本コメディなので、そういうことです。教会は? あそこだよ。火事にあった私の家は? 見えるだろう? ああ、嬉しいわ。あなたは私を愛しているのね? でもなぜお友達がいないの? パルドン祭りの歌は? というところで、ホエルさんがもうごまかせなくなってきたところに、お祭りの行列が通り、彼女の友人たちがディノーラに花嫁のブーケを渡し、ハッピーエンド。美しくゆったりと始まる二重唱なのですが、すぐにヒートアップして、ソプラノもバリトンも全力疾走での細かい掛け合いに。

レチはところどころにあるのですが、楽譜の音価を守らなきゃいけないところと、そうでないところがあって、前回ルバートだったのが今回楽譜通りとか、ヤヤコシイ。

アリアはだいぶ歌い込んできたので、先生のご指示も表現のことが多くなっています。特に影の歌のモティーフには、フランスものらしいお洒落なルバートがかかり、うまくいくととても楽しい。のですが……音を並べるだけでも、まあ簡単ではないのに、それをルバートするには、「指が余っている」状態にしなきゃいけない。つまり、音を掴みに行かないでアジリタを嵌めなきゃいけない。何をやっても結局同じ発声上の課題にぶつかるのですが、ほんの少しずつできるようになっているかな。

登場のアリア、子守唄は、あいかわらず結構体力がいる歌なのですが、だいぶレガートに、子やぎちゃんを起こさないで歌えるようになったかなあ。ロマンスは、私のお気に入りで、民謡っぽい旋律にすーっと声を乗せて行くことができればいいな。とりあえず去年の5月よりは落ち着いた演奏ができそうですので、お楽しみに。

|

« 湖上の声域 | トップページ | 気管支炎とか »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 湖上の声域 | トップページ | 気管支炎とか »