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理想の上司〜Suoni la tromba

おじさまとリッカルドの二重唱です。

お稽古ではまだ一回しか聞いたことがないけれど、ドキドキわくわくがとまらない二重唱。それが大塚さんと前田さんで聞けるんだよ! と、歌ったことがあるらしいヴァルトンさんと、お稽古始まる前から楽しみにしていました。エルヴィーラからフィナーレをかっさらっただけあって、ほんとうに名曲だと思います。

この曲は、導入 Il rival...、中間 Se tra il buio、最後Suoni la trombaの3部構成。最初は、普通レチでしょと思う部分なのですが、狂乱終わりからいきなり曲です。ここのおじさまは、姪に甘い優しい顔ではなくて、元軍人、統率者としての大度があり、またまたおじさま大好きな部分。要するに「二人を逃がしたのはお前だな」と、リッカルドを脅しにかかっているわけです。ふふ。リッカルドは「何をおっしゃっているのかわかりません」と。

ジョルジョとリッカルドの関係は、会社でいうと、ジョルジョが営業部長だったときのリッカルドが平社員で、リッカルドが営業部長になったときにジョルジョが本社の役員、みたいな感じ。「おまえも偉くなったなあ。昔は…」的弱みをたくさん握られている、でもとても可愛がられて、引き立ててもらった恩人というイメージです。ジョルジョは二重唱の中で、リッカルドを息子、と呼んでいます。なのに娘(姪)は、あの人嫌い!の一言。おじさまとしては二人を結婚させて、幸せな老後を楽しみたかったのでしょうに。可哀想なリッカルド、可哀想なおじさま。エルヴィーラさえあんなにおバカじゃなければよかったのに。

ジョルジョはアルトゥーロの助命を求めているのですが、リッカルドにとってはこれは私怨もありながら社長命令。大義は我にありです。ジョルジョはただひたすらエルヴィーラを救けたいだけなので、公私混同。しかもあんたは現場から離れたんでしょ、です。が、まあ、アルトゥーロとエルヴィーラの結婚を許可された裏に、敵対勢力との政治的取引があり、戦で自分のほうの勝利が見えてきたから改めて、手打ちの話を復活しましょう、という……とでも考えれば、現場の主戦派と、本社の穏健派とも思えるわけで(でないとおじさままでおバカなわけで・泣)。

さて、そういう裏をにおわせた暗黙の脅しで妥協しないと見るや、おじさまは情に訴えにかかります。「お前はエルヴィーラ(←ここ太字)とアルトゥーロを殺すんだ。二人の怨念が一生ついて回るぞ」です。えーっと、ピューリタン的にそこはそれでいいのでしょうか? まあそれはともかく、ここでもリッカルドは抵抗します。

で、ジョルジョのとった手段は、泣き落とし。しかも「祖国を愛する者は慈悲をも誇りにするのだ」と、わけのわからない理屈でリッカルドを見事に丸め込んでしまい、「明日の戦いにアルトゥーロがいれば?」という質問に「そりゃ殺すよ」とかっこ良く答えて(逃亡中の人がいるはずがないですから…)、「さあ、もう夜明けだ。共に戦おう!」と。

いやもう、この落とし方、私は大好きです。おじさま(溺愛モードではない)、理想の上司です。でもこの後、3幕でバカップルにまたもやブチ壊されて、まったく立つ瀬なく、今までの努力はいったい……と、可哀想なのも大好きです。

あ、音楽は、カッコいいの一言です。演奏によってはジョルジョが前に出すぎていたりするのですが、音楽は対等なので、ここのリッカルドは絶対に負けてほしくない。でもお二人がとてもいいバランスを作ってくださっているので、ほんとうに楽しみ。

ふふ、私、狂乱終わってもぜったい袖で聞くもん。リハは客席で見るもん。ぜったい! …体力つけよう。

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