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愛しいおじさま〜Sai com'arde

舞台に出ての第一声が「O amato zio, o mio secondo padre(愛しいおじさま、私のもう一人のおとうさま)」です。

私はジョルジョという役が大好きです(耳タコ?)。生まれ変わったらバスになるんだ…。そして私のおじさま、大塚博章さんのお声も大好きです。はじめて聞いた時(1年とちょっと前…)は、いつかこういう素晴らしい響きを持った方とご一緒に歌える声の歌手になりたい、と思いました。歌がうまくなりたい、じゃなくて、声を鍛えなきゃ、と。

で、ま、いろいろあって、まだ自信はないけれど、胸を貸していただいています。二重唱の中で、この胸で泣きなさいというところがあるので、比喩でない意味でも胸を貸していただいている…わけなのですが。まあ、叔父離れができない姪と、姪離れができない叔父、ではあります。アルトゥーロと抱き合う回数より、おじさまのほうが多い、んじゃないかな。

この曲でドキドキするところランキングをつけるとすれば、一番はジョルジョのアリアの中に合いの手で一瞬アジリタを入れるoh mio consolator(緩急の都合)、二番目がforsennataのアジリタ(Aからオクターブ1音上がるBへの跳躍が単純に難しい)、三番目が前記の第一声。

エルヴィーラは最初、リッカルドと結婚させられると思い込んでどよーんとしています。そこにおじさまがご機嫌で入ってきて、誤解を解くのですが…。最初から、アルトゥーロと結婚できることになったよ!って言ってくれればいいのに、ものすごいジラされて、おじさまはなンか陶酔してるし、エルヴィーラは勘違いしてエキサイトするし。ま、そうでないと二重唱が一瞬で終わってしまうのですが…。

ここへ来るのが彼だったら? なんですって!誰がくるのかおっしゃって 彼だよ 彼って誰? アルトゥーロだ ほんとうに? 娘よ、私は誓う 誰?アルトゥーロ アルトゥーロ ああ!ほんとうなの? 喜びなさい ああ嬉しい!

ここは音量の指示がありません。なので会話だったら、と想定して勝手に変えています。「ほんとうなの?」というところが強いと、すごく性格の悪いコになるような気がするので、特に2回目はこっそり訊くことにしています。おじさまは余裕に微笑んでいるので、表情の変化で魅せなきゃいけないのはエルヴィーラ。この二重唱は、ジョルジョがメインなのに、エルヴィーラのほうがいろいろやることが多いです。

この後、Non e sogno(夢じゃないのね)というアカペラ。テンポがだんだんゆっくりになって、どうやって合わせようかな、と思う部分。でも初回に歌わせていただいた時に、大丈夫だ!と。ほっとしました。こういう感覚は言葉では説明できないです。

逆に、まだ合ってないのは、ところどころのフレーズの感じ方。ベッリーニは、通常2フレーズとして処理するところで、1フレーズにしてほしいのかな?と思うような書き方をしているところが多いです。しかも1フレーズにするとブレス注意報が出るような、微妙な長さ。そういう部分はどちらの考え方を採るか、なのですが、ぼーっと歌っているともとに戻ってしまう。。。なんとかしなきゃ。あ、ぼーっと歌うな、と言われそうですが、オペラって最終的にはぼーっと歌わなきゃならないものなのです。

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