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バリトンの華麗なアジリタ〜Ah! per sempre

リッカルドのことをまとめて。

清教徒のキャスティングを始めた頃、正直に言ってリッカルドがこんなに大変な役だと思いませんでした。エルヴィーラとの絡みが少ないので、あまり聞いていなかったというのもあります。ハイバリトンぎみで、ジョルジョとの二重唱でバランスとれる方、というぐらい。でも、真面目にスコアを読んでみると…あらあらまあまあ。

この役の大変なところは、登場のアリア、というか全曲で最初のアリアであるAh! per sempreが、ベッリーニらしく優美で、ハイバリトン的な声質がほしくて、さらにテノールかと見まがうばかりにアジリタ満載だということ。その反面、アルトゥーロとの三重唱ではもっと重いアジリタと男らしい表現が求められ、さらにジョルジョとの二重唱では、バリトンど真ん中ぐらいであってほしいということ。

清教徒のCDやDVDを幾つも聞いたのですが、リッカルドが他のキャストに負けてない、と思ったのは、あまり多くありません。つまり、カルテットがカルテットになるかどうかはリッカルドで決まるのです。

今回、前田さんに歌っていただけてほんとうによかった。むっちゃいい声でむっちゃ素敵です。上記のありえない要件をクリアして、アリアはうっとりだし、大塚さんとの二重唱のカッコいいことといったら! お二人の声種の差の、この僅かにして決定的な違いについて小一時間語れるぐらいに、聞いていてわくわくします。

私はリッカルドを悪役として演出するのが大嫌いで、非常に真面目で誠実なキャラだと思っていますが、もう、そのまま、という感じ。素敵だ〜。なんでエルヴィーラは彼に惚れちゃいけないんだ…。

前田進一郎さんは、清教徒の翌月にもベッリーニの、こんどは夢遊病の女、藤原歌劇団の公演にアレッシオ役でご登場なさいます。私もとても楽しみにしています。でも役としては、リッカルドのほうが断然、カッコいい……ですよね?!

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