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清教徒ディスクメモ

カットパターンのチェックで聞きまくっています。常に追記します。

1、カラス=セラフィン、スカラ座
一番聞いている版。カット多し。おじさま(ニコラ・ロッシ=レメーニ)最高。アルトゥーロ(ジュゼッペ・ディ・ステファノ)いいけど、音を下げている箇所がある(他のテノールもけっこうやってる)。カラスのエルヴィーラはドラマティックすぎるけれど、表現力はさすが。アジリタも。3幕の二重唱の最後、カラスで聞いてみたかった。

2、デヴィーア=ボニング、カターニャのベッリーニ劇場
デヴィーアまあまあ。おじさま最悪。アルトゥーロの声好きじゃない。全体的に嫌い。

3、グルベローヴァ=ハイダー、リセウ大歌劇場(DVD)
ライヴ録音といえ、おじさまとの二重唱までのグルベローヴァはひどい。それより後はさすが。3幕は狂乱の演技をしすぎだと思う。おじさま、役作りとしてはいいんだけど、声がちょっと軽い。アルトゥーロ(ホセ・ブロス)はけっこう好き。リッカルドも素敵。ブルーノがなぜかとてもいい男。1幕フィナーレの最終曲は、エルヴィーラゼンゼン歌ってない。キャラ的にも体力的にも、気持ちはわかるけど…。1幕を1枚の画面でやってるのは参考になる。戦争な演出がちょっと…。エルヴィーラが舞台に出すぎ。

4、サザーランド=ボニング、ロンドン
サザーランド、思っていたよりも悪くない。若々しい声。でも譜割とか変えすぎ、低音回避しすぎ。が、楽譜にはかなり忠実でカットが少ない。おじさまとの二重唱の最後やっている。3幕に3拍子の二重唱があり、最後にもロンド(ソロ)がある。ロンドは、私ならやらない。曲としてはいいけど、キャラ変わりすぎ。二重唱はいい曲だけど、アルトゥーロが大変。そのアルトゥーロはパヴァロッティ(あ、青地さんみたいな声♡、って思ったらだいたいパヴァロッティだ)。丁寧だし、素敵なんだけど、柔らかすぎて私のアルトゥーロのイメージじゃない…。あとサザランドと、とにかく合わない溶けない(だってサザランドだものな…)。おじさま(ニコライ・ギャウロフ)いい感じ。リッカルドのカップチッリも。改めて聞くと、この版がいちばん、バランス良い分無難なのかも。

5、マチャイゼ=マリオッティ、ボローニャ(DVD)
ビジュアル完璧。かなり長い。でもノーカットではない。マチャイゼのエルヴィーラは、リリックでいいと思うけど、そんなに強くなくてもなあ(がんばってる感かな)。…技術的にはももうちょっと感。狂乱は白痴美的。おじさま(イルデブランド・ダルカンジェロ)いい感じだけど、ほんのちょっと違うんだなあ。アルトゥーロ、フローレス、う〜ん、高音がこそばゆい声。ものを考えてなさそうなところは似合ってる。リッカルドちょっと弱い感じ。お父さま(ウーゴ・グアリアルド)いい声。
演技は普通で一番参考になる。現代的だけど。演出は舞台が暗いし、全体的に表情に乏しい。コーラスがマスゲームのよう。
おじさま二重唱の最後やってない。Son verginの前に、アルトゥーロがエンリケッタ救出を決意しきっていないというのは、歌詞と矛盾しなくていい。アルトゥーロ、リッカルド、エンリケッタの三重唱、いい曲。確かに場面の割に悠長だけど…。1フィナのhigh-Dに上がるヴァリエーションがない…というか歌ってない。最終曲やっぱり歌ってない。狂乱のヴァリエーション、易しめ。最後ありだけど歌っているのは半分ぐらい。3幕、二重唱の前1ページなし。追加の三拍子の二重唱もない。二重唱最後は慣習カットの後high-Dのユニゾンからエルヴィーラが下に入って楽譜通り。エルヴィーラのpieta!の後、アルトゥーロ立つ瀬なし。やっぱりcrudeliの後はアルトゥーロが歌いきるほうがいいな。high-FはなくてD。Fは変だと思う。確かに、最後ロンド入れるなら二重唱がいいな。ロンドの他は2人全く歌わず、最後high-Dのユニゾンで終わる。

6、ネトレプコ=サマーズ、メト(DVD)
なんでしょ、このブルーノさんの笑っちゃう感。…はともかく、メトは普通のことを普通にお金かけてやってくれるので、本来こうあるべきという参考になります。おじさま二重唱、エルヴィーラが入ってきた。おじさま(ジョン・レリエ(ア))いい声! 表現も文句ない。ネトレプコもいい声だけど、暗すぎ。アンナ・ボレーナみたい…。アジリタは消える音がある。でもリリックな表現力は素晴らしい。カットは慣習、繰り返しなし。アルトゥーロ……うーん、ハイテノールってさあ……。お父さん、どバスのいい声。Son vergin、着替えてない、それはありかも。花冠と真珠の首飾りだけ。カットは慣習。三重唱も追加なしでカット慣習。フィナーレ、白になった。Soldatiもカットあり。ネトレプコ怖いよ。アルトゥーロの持ってきた白薔薇の花束をボロボロに壊す演出は自然でいいな。ヴァリエーションあり。high-Dは切りながら。最後、ちょっとだけ歌ってるけどほとんどお休み。おじさまのアリア、泣ける。狂乱、花嫁衣装、ヴェールあり、髪ざんばら。Qui la voceすごくいい。non te merあり。最後Esを上げてからArturo ah riediに入ってAsで終わる。二重唱、おじさまかっこよすぎ。リッカルドが弱いよ…。三幕、アリアフルコース。二重唱、やっぱり怖いです、ネトレプコ。三拍子の二重唱なし。カットが違うパターン。あ、vien vienに入っちゃった。ネトレプコなんだからやればいいのに。四重唱は、やっぱり中音が響くソプラノっていい。crudeliの後は、後半ソプラノパターン。高音周辺はcessate/vendettaの他なし。ロンド一人版、最後のDも一人、これは仕方ない。…なんかアルトゥーロに愛が少ないエルヴィーラな感じだなあ。
しかし、とにかく、おじさまがいい声で、どこのシーンでも耳に入ってくる。表情の付け方もちょっとした演技もうまいし、むちゃくちゃ素敵(一番に、ルクレツィア・ボルジアの旦那さんをやってほしい!と思ったら、去年やってた。誰でも考えることは一緒だ)。イギリスの俳優さんみたいな明るさとか茶目っ気が滲んでいて、最初の二重唱でも、おじさまはエルヴィーラに良い知らせを持ってきたから基本的に明るい、というのをはっきり出してる。私のおじさま理想像の上を行かれた感じだけど、この方だからそういうのが似合うのだと思う。自分に合った、かつ整合した解釈なのが素敵。

アルトゥーロとエルヴィーラの追加二重唱、三拍子の(Da quel di che ti mirai)はIMSLPに手書きのスコアがあります。判読できれば歌えるかもしれません。リブレットと歌詞違うし…。ロンドフィナーレのAh sento, o mio bel angeloはサザーランドのソプラノソロ版がwww.onlinesheetmusic.comで買えます。IMSLPのほうにも同じ歌詞の部分があるのですが、どうも旋律が違うみたい。リコルディのクリティカル・エディションが早く出ればいいのに…。

…どうも、清教徒の上演に際しては、「プリマドンナオペラ」としてのアプローチと、「プリモウォーモオペラ」としてのアプローチがあるように思います。でも、「アンサンブルオペラ」としてのアプローチが一番正しいと思うし、そのためには、派手派手担当のアルトゥーロはともかく、エルヴィーラが前に出すぎるのは全く好きじゃないし、リッカルドが役として弱いのもイヤ。でも、誰かの名前で客を呼ばなきゃいけない時には……そういうキャスティング、難しいんでしょうねえ……。

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