« 脱臼というか何というか | トップページ | ミカエラちゃん »

オペラ「清教徒」始動

泣いたと思ったらまた笑った子供のようになっている昨今ですが。

来年8/12(日)に向けて、清教徒の自主公演企画が始動しました。

といっても、やることにしたのは10月の中旬で、メインキャストのご依頼が終わって、やっとできるんじゃないかな、という状態になった、という感じです。

清教徒は難役揃いで有名なオペラで、キャスティングがとても重要です。何がどうなってこうなったのか、すべては偶然と、まわりのみなさまのご協力のおかげですけれど、私の想像も妄想も超えるメンバーになって、ドキドキわくわくしています。

清教徒は、ルチーアと並ぶベルカント狂乱ものの名曲で、30代で夭折した作曲家ベッリーニの絶筆でもあります。内容は、ルチーアほどリアルではなく、革命が舞台なのに敵との結婚が許されたり、正直はちゃめちゃなのですが、とにかく、とにかく美しくて、かっこよくて、全編にわたって優しさに溢れています。ベッリーニは美しすぎて泣きが入るところが、なんだかちょっと現代的な感じがします。

清教徒といえばアルトゥーロの高音。キラキラ派手なところがよくクローズアップされます。テノールさんは大変です。出てきたと思ったら有名な高音アリアのA te o caraだし、歌い詰めの3幕の後半でhigh-Fが書いてあるって、ヴァリエーションですらないって、ハイテノールとしても常識外れ。でも彼は「清教徒」ではないのですね。王党派。

じゃタイトルロールは誰かって、複数形だけれど、私はエルヴィーラのおじさま、ジョルジョだと思っています。清教徒が優しさで溢れているのは、主におじさまのおかげです。私の知っているオペラの男声キャラの中で、一番大好きな役です。同じバスバリトンでも、ライモンドしかいなかったルチーアちゃんとの違いはそこだと思います。でもって実は一番歌っている時間も、舞台にいる時間も長い、大変な役です。

かっこいい担当はたぶんリッカルドですね。なんでエルヴィーラちゃんは彼が嫌いなのか……たぶん誰かもよくわかってないんでしょう。でもハイバリトンがかわいそう担当なのは仕方がありません。似合うのだもの。おじさまとのバリトン二重唱は聞きどころです。低声フェチにはたまりません。

エルヴィーラはなーんにもわかっていないおっとりしたお姫様で、ルチーアのように悩みません。とにかく存在がちっちゃい。地に足がついておらず、狂乱も現実味がなく、常にふわふわしています。歌うところもずっと保護者付き。アルトゥーロだけに向いたちっちゃな愛とちっちゃな優しさだけでできていて、なのに関わるものをほっこりさせる天然ちゃんです。得な性格ですねえ。声は、アリアはレッジェーロの人が歌うことが多いですが、全曲見るとかなりリリックなので、そっちの方向で作ろうかなと思っています。ルチーアみたいにあんまりドラマティックにもしないで。

もう一人のメインキャラ、エンリケッタ様は登場シーンこそ少ないものの、王妃の気品と強い意志のある、すごくいい役です。私がメゾなら絶対やりたい。エンリーコの娘、カルロの妻って、自分が王妃であることを明かすところなんか、ぞくっとします。でも彼女も優しいのですよね。処刑の運命を前に、自分を逃がそうとするアルトゥーロに、恋人のことを考えなさいって言ってしまう。

と、お稽古開始までもあと半年ほどあるのですが、こと舞台に関して半年はあっという間。その間にルチーアもあるし、フランスものの勉強もしないといけないし、来年も突っ走る一年になりそうです。

|

« 脱臼というか何というか | トップページ | ミカエラちゃん »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 脱臼というか何というか | トップページ | ミカエラちゃん »