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アンナとエルヴィーラ

ドンナ・アンナと、ドンナ・エルヴィーラ。普通はアンナがプリマのはずなんだけれど、リブレットサイトによると、エルヴィーラのほうが歌っている量は多いらしい。今日(カンペ作ろうとして)気がつきました。へえ(基準がイマイチわからないけど)。

というところで再確認。ドン・ジョヴァンニの初演はプラハ(1787年)。プリマ・ドンナはアンナ。ヅェルリーナを初演した歌手(アンナ初演歌手の姉)は、フィガロのスザンナのプラハ初演もつとめている。エルヴィーラを初演した歌手は上手くなかったらしい。が、そもそも初演した歌劇団はみんなイマイチだったらしい。

その後、ウィーン初演(1788年)した際は、後宮からの逃走を初演したカテリーナ・カヴァリエーリがプリマ・ドンナとしてエルヴィーラを歌い(彼女のためにMi tradiのレチとアリアが書かれた)、高音とコロラトゥーラ技巧に優れたセコンダ・ドンナのアロイージア・ウェーバーがドンナ・アンナを歌っている(なお、プリマ、セコンダというのはその劇団、劇場における役者の格付で、役の格付けではない)。ちなみにこの二人は「劇場支配人」というプリマ・ドンナの地位を争うオペラの、二人のライバル役も初演しているらしい(二重唱の楽譜見てみたい)。

と、以上は水谷彰良氏の『プリマ・ドンナの歴史』のまとめ。拾い読みしかしてないので、アンナのウィーン初演者ははじめて気が付きました。

プラハ初演復活版のDVDを見たら、確かにアンナがプリマ・ドンナ・セリア、エルヴィーラがプリマ・ブッファだと思う(セリアのほうが断然格上)。でも主筋であるジョヴァンニ物語に絡むのはエルヴィーラだから、そっちをプリマが歌うのもわかる。アンナのアリアは純粋に技巧的だけれど、エルヴィーラの追加アリアは歌うのも聞くのも、なんだか重みがあるし。

と、どうやらエルヴィーラの役はたった1年で、というよりもプラハ、ウィーンそれぞれ初演の歌手でガラッと変わってしまったらしい。さらにエルヴィーラの強烈なオバサンなイメージを、若く美しく気品溢れるものに変えたのは、リーザ・デッラ・カーザとかあのへんの美しい歌手たちだったそうで。私はディドナートの人間的でいじらしくて可愛らしいエルヴィーラも大好き。

で、私のエルヴィーラは……どうしましょう。

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