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声種の話ふたたびみたび

手元にある、リード著『ベル・カント唱法 その原理と実践』(音楽之友社)から少しまとめと引用。私もたまにちらちら見る程度なのだけれど、この前からあそこにヒントがあったなあと思っていたので調べてみました。

・自然の声域の大部分がファルセットの支配下にあるとき、それはリリックな声。
・同様に胸声の支配下にあるとき、それはドラマティックな声。
・「ドラマティックやリリックという音質は、主に気質によって生じるものであって、よく訓練された歌手だと、ひとつの演奏スタイルに限定されてしまうようなことは、まったくありません」
・「声種の決定は、歌手が、徐々に力をつけていく低音部を、すべて声域に組み入れ、一方、音階の上部で音量の変化を完璧にコントロールできるようになった後に、初めて詮議すべきものだ、ということになります」

……なお、あくまでリード氏の本は「ベルカント・オペラ」時代とそれ以前の認識を研究したもので、現在の一般的な認識とは異なっています。たとえばファルセットの定義は頭声とは異なるのに注意。

はい。私、自分がハイソプラノかコントラルトか、リリコなのかドランマティコなのか迷うような時期ではないということですね。
この理論によると、単にファルセットの下が充実してきて、胸声(五線の下のCの上のE以下)と融合する時期に来たというだけのことです。でもってソプラノの声が適正に使われた場合の譜例で、五線の下のGからhigh-Gまでが例示されていたので、そこまでは変態ではないということです。うん、そういうことにしてみよう。モーツアルト時代のコロラトゥーラの例として下のCからhigh-highCまで使ったパッセージが載っていたけれど、もしかしたらこれ歌えるようになるかもしれないし。

で、リード氏はファルセットより上を分類していないのですが、やっぱり技術的には上のFで一回(いわゆるパッサージョ)、その上のBあたりでもう一回(いわゆるアクートとソプラクートの境目)、あとhighEとF(名前なし?)の間にブレイクがあるような気がします。でも交差点があるだけで、左折とかしないで直進すればいいのですね。でもどっちにも行けるのに、道自体が曲がって見えていて、直進ってどっちに入ることですか?っていうのが今の私。さすが方向音痴…。

昨日はメフィストフェレのスコアも来たので、マティルデ、タンクレディ、ウルリカ、マルゲリータ、ルチーア、ヴィオレッタと録音してみて、技術的な欠陥(アクートの歌い方が雑=迷子)と気質的な欠陥(声の色を押して変えたがる)を再再再認識。でも中音域以下で力を抜いて歌えること、コロラトゥーラの技術はまあまあイケてるんじゃないかと思えるようになった。狂乱のカデンツほとんどズレてないのは嬉しい。スタッカートがちょっと甘いけど。とにかく、曲と役をしっかり解釈して、それに合った音色を使うという意識を持たなきゃ。ドンナ・エルヴィーラのアクート、どうする私!?

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