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再録:Hypermobility Syndrome(HMS)について

Hypermobility Syndrome(HMS)というのは、関節が緩くて痛くて、でもレントゲンには異常も何もない、という、日本では紹介されていない遺伝子疾患です。で、私は去年からHMS持ちなのです。
去年の今頃は、ちょっとパニックしておりました。8月にイタリアでの声楽のレッスンから帰って、しばらくして後、突然全身のあっちこっちの関節が痛くなってしまったからです。もともと、中学生時分に左肩から始まって、ほとんどの関節が緩い=簡単に外したり戻したりできるのですが、運動とか無茶をしなければ大丈夫だったので。
さて、これは何だろう。ということで調査開始。小さいときから整形外科によく通っていますが、体質だということで満足行く説明を受けたことがありませんでした。でも痛いのは痛くて、日によって階段上がるどころか、歩くだけ、ものを持つだけでもダメになって。いろいろ調べて、まずあるスポーツドクターにかかりました。レントゲン、結果、とっても良好。もとより通常の健康診断ではひっかからない私です。で、とりあえず、といって痛み止めを処方されたのですが〜そこで大変なことに。痛い、というのは、緩い関節を間違った方向に使っていますよ、というシグナルだったわけで、それがなくなると〜制御が効かなくて行き過ぎるわけです。痛み止めが切れた次の日、全身が痛くなりました。
次に行ったのは某大学病院のリウマチ科。紹介されて行ったのですが、そこでリウマチ検査を受けて、結果はもちろんリウマチのリの字もなし。よかったですね、と言ったお医者に、じゃなんで痛いのん? どこに行けっていうのん?ってブチ切れて、さっさとおさらば。
さてはて。この世はインターネット時代で、私はもちろん平行して、自分の症状から推測して、ネットで調べたり、いろいろな専門文献を立ち読みしたり。でもって(あるミーハーな理由で)慣れ親しみ始めた英語でもいろいろ検索して〜自分なりに出した答えがHypermobility Syndrome(HMS)。やっぱり最初から行けば良かった、と思った聖路加病院でも、年に一人ぐらいそういう人が来る。HMSのサイトを見ているのはいいんじゃないかな、とのこと。
HMSは日本にはほとんど紹介されていない病気で、今のところ遺伝子疾患だと言われています。けれどもHypermobinity(関節が動きすぎる/柔らかい)を持つ人の中で、痛みが出てSyndrome(症候群)になる理由はまだまったく未解明で、症状も発生時期も程度もさまざま。関節に継続的+間欠的な痛みがあって、気圧や女性ホルモン周期に影響されます。もちろん治療法も未解明で、現在は対処療法と代替医療(マッサージとかストレッチとか)がメイン。研究が一番進んでいるのは英国です。専門用語に頭を悩ましながら、Hypermobility Syndrome Associationのサイトを熟読して〜地球の裏側で同じような理不尽な扱いを受けた人たちがいるのにちと涙。日本初の会員になったりしてみました。解決策が何かあったわけではないけれど、ほっとしました。で、あとは学習。関節の骨の形と可動範囲を頭に叩き込んで、やっていい力の掛け方と悪いのを頭に入れて、日常生活でもできるだけ負担がかからないように環境を整え。
刹那的に? なりましたとも。いつまで動けるかわからないのだったら、今のうちにちょっと無理してでもできることはやろうって思うようになりました。好きな役者の舞台を見るためだけにシドニーまで行っても、数年後飛行機に乗れなくなって後悔するよりはずっといいと思うのです(2004/10/17 Mixi初出)。

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